紀伊半島の環境保と地域持続性ネットワーク 紀伊・環境保全&持続性研究所(三重県津市)
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 <紀伊半島の巨木を訪ねる>

 三重県松阪市飯高町福本の大トチノキ


 三重県松阪市飯高町福本にあるトチノキの巨木は、国道166号線から櫛田川と三峯谷川が分れるあたりのわき道をわけ入った山の中腹に生育している。

 入り口の看板に300m先とあったので気軽に見に行ったが、なかなかの山道で、丸木を組んだ小さな橋を幾つか渡り、急勾配の細い山道をすべり落ちないように気をつけて、汗をかきながらやっと山の中腹にあるトチノキの巨木を仰ぎ見ることができた。

 この巨木周辺の広い範囲は、トチノキの落ち葉で覆い尽くされていた。

(写真をクリックすると拡大します)
山の中腹にそびえる大トチノキ。
近づいてみると、その幹の太さはかなりなもので、やはり途中で引き返さずに苦労して登ってきた甲斐があったと思う。県下最大級のトチノキであることに、がってんがいく。
幹の表面を見ると、樹皮がはがれた痕が波紋状に見える(幹の右側)。また、幹が裂けて、裂け目が大きな洞(うろ)になっている。長い年月、過酷な自然とたたかって、生き抜いてきた証のように見える。
大トチノキのみごとな枝ぶり。太陽の光りを思い切り受け止めようとするためだろう。
樹の下には落ち葉と実が落ちていた。しかし、実の残骸は残っているものの、中の種子は見当たらなかった。獣が餌にしたのだろうか。

飯高町福本あたりの山にはトチノキが多く、これは昔、飢饉にそなえて、切らずに残したためであろうとされている。トチノキの実(中のクリのような色の種子)は、昔、作物の取れない地方では、常食の一部となり、渋をぬいて食べた(Wikipedia)。「飯高道の駅」などで、栃の実煎餅として販売されているが、香ばしく美味しい。
福本の大トチノキへの山道。山道はこの先を右に折れると、さらに細くなり、上り始める。

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